星野さんも注目!メリットやデメリットから捉える風力発電

風の力でタービンを回し電気を生み出す風力発電は、燃料を必要とせず何も燃焼しないことから、火力発電よりもクリーンです。
また燃料のように価格変動の影響を受けませんから、コストという点で安定した発電が行えるメリットがあります。
勿論、風力頼りなので風が吹かない地域には向きませんし、風量の変動が大きい地域では発電量が不安定になります。
つまり少なからず環境や設置条件を選ぶわけですが、それでも効率的な発電を行うことは可能です。

より快適な環境を実現する太平エンジニアリング

星野さんも注目!洋上風力発電の特徴と課題

複数で総合的に大きな発電を実現

他の方法と異なるのは、基で大きく発電するやり方ではなく、複数で総合的に大きな発電を実現することにあります。
これは単純に数を増やせば発電量も増えるという理屈で、ある程度分散して設置を行えば、設置場所による発電量の違いを吸収できることを意味します。
風力は1基で発電できる量には限りがありますから、数で発電量を稼ぐ必要があるのは当然です。
一番近いイメージなのはやはり太陽光発電で、こちらも複数のパネルを設置して面積を稼ぎ発電量を増やすやり方です。
言うまでもなく設置に面積が必要になりますが、平地だけでなく山や海沿いでも発電できるので、この点に限れば太陽光発電よりも割と設置要件のハードルは低いです。
とはいえ実際には設置コストやメンテナンスコストの考慮が不可欠なので、コストに見合うという条件がつきます。

風力で発電するには秒速6.5m以上の風が必要

一般的に風力で発電するには秒速6.5m以上の風が必要だといわれていますから、この数字以上の風が吹く場所といった条件が加わります。
理想的なのは年間を通して風量があまり変わらず、台風のような自然災害が起こらない環境です。
日本は災害大国で台風に加えて地震や土砂崩れなども起こりますから、現実は相応に設置要件のハードルが高いといえるでしょう。
では地震も土砂崩れもない海洋上はどうかといえば、台風が発生したり影響する地域では難しいと結論づけられます。
海洋は安定した風量が望める環境で、日本は海に囲まれていることから、台風さえなければかなり好条件が整っています。
ところが、毎年のように台風が発生して被害がもたらされるので、安易に設置したり数を増やすことはできないです。
もし日本で設置するとしたら、台風の影響が少ない北海道などの北の方や、日本海側ということになりそうです。

風力発電のデメリット

風力発電にはデメリットもあって、例えば騒音公害は無視できない問題となります。
風を受けて風車が回り発電する仕組みなので、音が発生することは避けられないです。
特に問題なのは圧迫感を感じさせる低周波や機械的な音で、人の生活圏には相応しくない騒音です。
比較的高い音も耳について気になりますが、案外低く体に響くような音も無視できないといえます。
低周波は高周波よりもエネルギーが高く、遠くまで伝わる性質があるので厄介です。
この為、騒音対策を考慮して風力発電の設置を行うとなれば、生活圏から距離を取って離れた場所を選ぶ必要があるでしょう。
しかし距離が離れると送電コストが上がりますから、コストとの兼ね合いで決まることが多いのも否定できないです。

CO2削減に取り組む日本においては軽視できない発電方式

設置する場所は、木を切ったり山を切り崩す必要があるとなると、一気に設置のハードルが上昇します。
理由は自然破壊や景観にも影響を与える可能性で、近隣住民の反発が発生することに繋がります。
こういったデメリットも少なくない風力発電ですが、CO2削減に取り組む日本においては軽視できない発電方式です。
既に一般家庭でも太陽光発電が普及を見せているように、今後は風力も数が増えたり割合が高まる可能性があるでしょう。
個人宅向けではありませんが、余っている土地を活用して発電、売電で利益を得るといった事業に参入する企業が増えても不思議ではないです。
解決を必要とする課題は沢山存在しますし、ハードルは決して低くないですが、それでもCO2削減や持続可能な社会の実現には課題と向き合うことが不可欠です。

海外では海洋での発電が注目度の高いトピック

日本が得意な小型化や効率化が実現すれば、発電所を設置できる場所が増えて導入や普及は加速するものと思われます。
海外では海洋での発電が注目度の高いトピックで、多くの企業の研究開発対象になっています。

Influx 星野敦 洋上風力

日本の海は海洋発電向きではありませんから、その点はとても残念ですが、日本の技術で克服できる可能性がないともいえないです。
国内でも研究や開発は進められていますし、運用に向けた実証も行われている状況です。
後発でおくれを取っているのは確かですが、後発だからこそ焦らずにじっくりと取り組めるとも考えられます。
メリットとデメリットを比較してみると、天秤に掛けてメリットが上回れば設置を検討できる発電方法だと分かります。
それだけデメリットもありますが、設置のハードルさえクリアできればメリットは多く、そして環境負荷を抑えながら電力の確保や供給を実現してくれます。

まとめ

風車を回して発電する仕組みは130年前には既にあり、風力発電が誕生してから現在に至るまで研究が行われ進化を続けています。
これからもまだまだ発展する可能性に期待できますから、技術革新による日本での普及にも期待が持てます。

最終更新日 2025年7月20日 by wannya