朝霧がフェアウェイを静かに包み込む、夜明け前の静寂。
その中で息を潜める緑のうねりは、これから始まる一日のドラマを予感させます。
こんにちは、ゴルフコースライターの高田凛です。
大学時代、この埼玉の地でゴルフと出会い、特に「エーデルワイスゴルフクラブ」のアンジュレーション豊かなグリーンに魅せられたのが、私の原点です。
それから十数年。
あの思い出のコースが「オリムピックナショナルゴルフクラブ」として生まれ変わる過程を、私はジャーナリストとして見つめ続けてきました。
この記事は、単なるコースガイドではありません。
私が長年追いかけてきたこのクラブが持つ「物語」と、視察プレーで肌で感じた「生きた空気感」をお届けする、特別な招待状です。
「本当に自分に合うクラブはどこだろう?」
「コースの設計思想まで深く理解して、ゴルフを楽しみたい」
そうお考えのあなたに、この記事が確かな羅針盤となることをお約束します。
さあ、一緒にコースを歩き始めましょう。
目次
オリムピックナショナルGCの誕生秘話:二つの名門が紡ぐ新たな物語
都心から約1時間。
関越道を降りてしばらく走ると、豊かな武蔵野の自然に抱かれた広大なゴルフリゾートが見えてきます。
それが、EAST/WEST合わせて45ホールの壮大なスケールを誇る「オリムピックナショナルゴルフクラブ」です。
このクラブの最大の魅力は、その成り立ちにあります。
2017年10月、伝統ある「エーデルワイスゴルフクラブ」と「鶴ヶ島ゴルフ倶倶楽部」が一つになり、このクラブは誕生しました。
私が初めてこのニュースに触れたとき、それは単なる合併ではなく、埼玉のゴルフ史における大きな挑戦だと感じたのを今でも鮮明に覚えています。
古き良き伝統と、革新的な思想。
性格の異なる二つのコースが融合することで、どのような化学反応が生まれるのか。
長年取材を続ける中で見えてきたのは、単に規模が大きくなっただけではない、ゴルファーの多様なニーズに応えようとするクラブの強い意志でした。
週末はじっくりと戦略的なEASTコースを。
平日は気軽にWESTコースを仲間と。
そんな、これまでの常識を覆すようなゴルフライフの可能性が、ここには広がっているのです。
EASTとWEST、二つの顔を持つコースの個性と設計思想
オリムピックナショナルGCを語る上で欠かせないのが、全く異なる個性を持つEASTとWEST、二つのコースの存在です。
コースは語る。
歩けばその声が聞こえる。
ここでは、それぞれのコースが持つ設計思想と、その声に耳を傾けてみましょう。
伝統と優美のEASTコース:イングランドの丘陵を思わせるダイ・デザイン社の傑作
私が高校時代に初めてラウンドし、心を奪われたのがこのEASTコース(旧エーデルワイスGC)です。
設計は、世界的な名匠として知られる「ダイ・デザイン社」。
その特徴は、まるでイングランドの丘陵地帯を散歩しているかのような、自然で緩やかなフェアウェイの起伏にあります。
一つひとつのホールが木々でセパレートされ、プライベート感がありながらも、どこか開放的。
戦略の鍵を握るのは、巧みに配置されたマウンドや池、そして深くはないものの絶妙な位置にあるポットバンカーです。
派手さはありません。
しかし、プレーすればするほど、その奥深い戦略性に気づかされます。
「次はどう攻めようか」と、ゴルファーの挑戦意欲を静かに掻き立てる。
それはまるで、熟練の棋士と盤を挟むような、知的な興奮に満ちた時間です。
革新と戦略のWESTコース:「ファジオマジック」が光るモダンアート
一方、WESTコース(旧鶴ヶ島GC)は、世界で200以上のコースを手掛けるジム・ファジオ氏の監修によって、大胆に生まれ変わりました。
私はこの改修を「ファジオマジック」と呼んでいます。
アザレア、カメリア、シバザクラと名付けられた全27ホールは、それぞれが個性的で、プレーヤーを飽きさせません。
EASTコースが「静」ならば、WESTコースは「動」。
池やクリークが大胆にレイアウトに絡み、グリーンのアンジュレーション(傾斜や起伏)もより複雑でダイナミックです。
一見すると難解に見えるかもしれません。
しかし、そこには必ず安全なルートと挑戦的なルートが用意されており、プレーヤー自身の決断を問うてきます。
それはまるで、モダンアートの絵画を鑑賞するように、見る角度によって様々な表情を見せてくれるコースです。
爽快感と戦術性を両立させた、現代的なゴルフの楽しみ方がここにあります。
| 項目 | EASTコース | WESTコース |
|---|---|---|
| 設計思想 | 伝統と優美(イングランド丘陵スタイル) | 革新と戦略(アメリカンモダンスタイル) |
| 特徴 | 自然な起伏、マウンド、ポットバンカー | 大胆な池の配置、ダイナミックなアンジュレーション |
| ホール数 | 18ホール | 27ホール |
| 印象 | 知的で落ち着いた大人のゴルフ | 爽快感と挑戦意欲を掻き立てるゴルフ |
視察プレー体験記:私が肌で感じたクラブの「空気感」
今回、私は改めて入会検討者向けの「視察プレー」に参加し、クラブの今を体感してきました。
カタログスペックだけでは伝わらない、現場の空気感と臨場感をレポートします。
クラブハウスに満ちる、開放感と心地よい緊張感
リニューアルされたクラブハウスに足を踏み入れると、まず感じるのはガラス張りの大きな窓から差し込む光と、コースの緑が織りなす開放感です。
モダンで洗練された空間でありながら、スタッフの方々の温かい挨拶が、過度な緊張を和らげてくれます。
ロビーで談笑するメンバーさんたちの姿からは、このクラブが単なるプレーの場ではなく、大切なコミュニティとして機能していることが伝わってきました。
これは、私が多くの名門クラブを取材してきた中で、特に心地よいと感じる空気感の一つです。
フェアウェイを歩いて聞こえてきた「声」
この日はWESTコースをプレーさせていただきました。
スタートホールのティーグラウンドに立った瞬間、目の前に広がる景観の美しさに思わず息をのみます。
計算され尽くした池の配置、そしてその水面に映る青空と雲。
「これから素晴らしい一日が始まる」という期待感で胸が高鳴りました。
実際にフェアウェイを歩いてみると、そのメンテナンスの素晴らしさに驚かされます。
芝は絨毯のように柔らかく、一歩一歩、足裏に心地よい感触が伝わってきます。
コースを知り尽くしたキャディさんの的確なアドバイスは、プレーヤーの挑戦を後押ししてくれる頼もしい存在です。
私が特に印象に残ったのは、グリーン周りの造形です。
ファジオ・デザインの特徴である複雑なアンジュレーションは、パッティングラインを読む楽しみを何倍にもしてくれます。
「ここに打てば、こう転がるはずだ」
そんな風にグリーンと対話し、狙い通りにボールがカップに吸い込まれた時の喜びは、何物にも代えがたいものでした。
ここは、ただスコアを競うだけの場所ではない。
自然と対話し、自分自身と向き合い、ゴルフというスポーツの神髄に触れられる場所なのだ。
フェアウェイを渡る風が、私にそう語りかけているようでした。
もちろん、これは私個人の感想です。
より客観的な評価を知りたい方は、実際に訪れた方々が寄せたオリムピックナショナルの口コミを参考にされると、コースコンディションやサービスの質について、さらに多角的な視点が得られるでしょう。
クラブの価値を考える:オリムピックナショナルGCが提供するもの
視察プレーを終えて、私はこのクラブの持つ本当の価値について改めて考えていました。
それは、単に素晴らしいコースがあるというだけではありません。
一つは、「選択できる」という贅沢です。
趣の異なる45ホールを、その日の気分やメンバー、自分のゴルフのテーマに合わせて選べる。
これは他のクラブではなかなか味わえない、大きな魅力と言えるでしょう。
もう一つは、変化し続ける「柔軟性」です。
二つのクラブが統合した歴史が示すように、このクラブは時代の変化やゴルファーのニーズに合わせて進化することを恐れません。
ライフスタイルに合わせた多様な会員権が用意されているのも、その表れです。
伝統を重んじながらも、常に開かれた姿勢を忘れない。
だからこそ、新しいメンバーを温かく迎え入れる土壌があるのです。
クラブ選びは、人生のパートナー選びに似ています。
長い時間を共に過ごす場所だからこそ、ハード(コース)とソフト(運営やコミュニティ)の両面から、じっくりと見極める必要があります。
その点において、オリムピックナショナルゴルフクラブは、非常にバランスの取れた、将来性豊かな選択肢だと私は確信しています。
まとめ:あなたのゴルフライフに、新たな物語を
今回は、私が長年見つめてきたオリムピックナショナルゴルフクラブについて、視察プレーで感じた空気感と共にお届けしました。
この記事でお伝えしたかったポイントを、改めて振り返ってみましょう。
- 二つの個性の融合: 伝統のEASTと革新のWEST、45ホールが織りなす多様なゴルフ体験。
- 卓越したコース設計: ダイ・デザインとファジオ・デザイン、世界の名匠が手掛けた戦略性豊かなレイアウト。
- 生きた空気感: 開放的なクラブハウスと、温かいコミュニティが育む心地よい空間。
- 未来への柔軟性: 時代のニーズに合わせて進化し続ける、開かれたクラブ運営。
もしあなたが、今よりも一歩深いゴルフの世界を求めているのなら。
もしあなたが、長く付き合える本物のホームコースを探しているのなら。
ぜひ一度、「視察プレー」に足を運んでみることをお勧めします。
百の言葉よりも、一度の体験が、あなたに多くのことを語りかけてくれるはずです。
クラブの歴史、設計者の想い、そしてメンバーたちの息遣い。
そのすべてが、あなたのゴルフライフに新たな1ページを加えてくれることでしょう。
では、あなたの一歩をそのフェアウェイへ。
最終更新日 2025年10月11日 by wannya








