原作がある場合は予め読んでおく
映画の楽しみ方に正解はありません。
各々が好きなように楽しむことが大事であり、人に対してもこうやって観た方が良いと押し付けるのも良くないでしょう。
ただ、様々な楽しみ方について理解を深めておくことで、いつもとは違った見方ができると吉野勝秀は言います。
最終的には個人の考え方や価値観に委ねられるものの、こんな楽しみ方もあるということを知っておくのも良いでしょう。
ひとつに、原作がある場合は予め読んでおくのが良いかもしれません。
小説や漫画などが原作になっているケースは多いですが、それらの内容を知っておくと映画への理解も深められます。
映画の時間は大体2時間前後ですが、そこに原作の全てを詰め込むことは難しいですから、元々のネタを知らないと良く分からなかったりするものです。
キャラクターのバックボーンや関係性などを知らないと、観ている時にもなぜそんなことになっているのか理解できずにいる羽目になることもありますので、予備知識として持っておくと楽しみやすくなるかもしれません。
もちろん情報を持たずに観たい場合は原作に目を通さない方が良いでしょう。
展開を知っていることでつまらなくなってしまうこともあるため、まっさらな状態で行くことのも正しい選択です。
むしろ原作を知っているがゆえにギャップを感じてガッカリするケースもありますから、そこはどんな風に楽しみたいのかによって判断は左右されます。
ちなみに吉野勝秀は原作に目を通さないタイプのようです。
ただ、順番こそ違えど原作を読むようにすると得られることもあるはずです。
不明だった部分が補完され、完全な理解ができることもあるでしょう。
伏線を意識しながら観るのも心掛けたいことのひとつです。
これは後々の展開のために予め準備された演出のことですが、この点を意識していると楽しさも倍増するはずです。
前半に出てきた謎の演出や展開が、後半になるにつれて明らかになるのはドキドキするものであり、そこにハッとさせられることで作品に対して抱く感想も違ってくるでしょう。
しかしながらぼんやりと観ていると見過ごしてしまいますから注意が必要です。
分かりやすい伏線が設けられることがある一方で、注意深く観ていないとうっかり逃してしまうほどさりげなく演出がされることもあります。
その些細な部分に気付くことができるかどうかで観終わった後の満足度も違ってくるはずですから、作品に集中して楽しむようにしましょう。
メタファーに気付けるように意識する
メタファーに気付けるように意識するのもポイントです。
これは暗喩や隠喩と呼ばれる表現方法のことなのですが、ダイレクトに伝わる直喩と比べると分かりにくい表現になっているのが特徴的です。
様々な表現の仕方がありますから一概には言えないのですが、ひとつに家屋のヒビ割れたガラスを例に挙げてみましょう。
ある一軒家にある家族が住んでいるとして、その家族は一見するとごくごく普通のようにも見えますが、実は内にはそれぞれが抱える悩みがあります。
しかし劇中では直接的に語られることはありません。
そこで表現として使われるのがメタファーです。
割れたガラスで荒廃的な印象や経済的にゆとりのない様子、あるいは人間関係の悪さなどが表現され、そこに問題の家族の歪な様子を窺い知ることができます。
ところが作品がクライマックスに近付くことで個々の悩みが解消され、そして映し出されるガラスもキレイに直されているのです。
つまりそれは再生を表現する演出であり、深くは語られずとも、そこから観客も変化を感じることができます。
これもまた伏線のようにさりげなく散りばめられていることがあるため、細かくチェックしないと分からないこともあるのですが、メタファーに気付くことができたら驚きや感動も高まるはずです。
作品を観た感想や意見を言い合う
同じ作品を観た人と感想や意見を言い合ってみるのも映画の醍醐味でしょう。
感じ方は人それぞれで異なる面もありますので、人からの感想を聞くことで違った見方に気付けるはずです。
単純に面白かった、つまらなかったという感想で終わらせてしまうのも勿体ないことですので、他の人はどんな風に感じたのかにも興味を持ってみると良いでしょう。
それによって作品への理解度を深められるだけでなく、その人の人間性や価値観なども見えて映画に関すること以外の発見があると吉野勝秀は言います。
また、人の物の捉え方を知ると自分自身の見識も深まるといった利点もあります。
繰り返し観てみるのもおすすめと言えます。
特に一度観て意味が分からなかった場合はもう一回観てみるのが良いでしょう。
最初とは違った視点で楽しむことができ、新しい発見に気付いてドキドキできることもあるはずです。
複数回観てようやく本質が分かることはありますから、レンタルでも良いので興味がある場合は見直してみると良いでしょう。
映画にはこのように様々な楽しみ方があります。
楽しみ方に正解はなく自由ではあるものの、ちょっとした意識の持ち方で見方も違ってきますので、より充実の時間を過ごすためにも作品との向き合い方を考えてみると良いでしょう。
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最終更新日 2025年7月20日 by wannya